金魚を飼っている水槽の水草が枯れるので、色々と調べてみたところ
どうやらライトの光量が不足しているようなので、増設検討しました。
本来、波長的には蛍光灯がいいとのことで蛍光灯への切り替えを考えたのですが
蛍光灯の製品は廃止になって、LEDへと切り替えが進んでいるようです。
LED一色の状況はいかがのものかと思っています。
LEDバブルのようになっていますが、そもそもそこまでか?と思っています。
LEDの効率
LEDが高効率というところがありますが照明用の白色LEDの効率は
一昔前は100~120[lm/W]といったところです。
[lm/W]は1Wあたりトータルの光量が何ルーメン出せるかというものです。
現在、高効率のLEDは160[lm/W]ぐらいになります。
一見するとこう効率に思われます。
一覧にするとこんな感じです。
白色LED:100~120 lm/W
高効率LED:160 lm/W
蛍光灯:60 lm/W
インバーター蛍光灯:100 lm/W
安いLED素子を使おうとすると、どうしても効率が悪く100lm/Wぐらいになります。
実は素子単体で見てもインバータータイプと大して違わないのです。
しかもLEDは半導体なので、AC100Vで直接駆動できないので、
AC100V → DC電源 → LEDドライバ → LED素子
電圧を落として、その後に駆動する必要があり、そこそこ効率がよく90%で駆動できたとしても
100[lm/W]程度のLEDでは照明器具としてみると80[lm/W]ぐらいになりインバーター蛍光灯に勝てないのです。
メーカー側は都合よくインバーターでない蛍光灯と比較して2割程度削減可能と謳うのです。
ちなみにGEX LED POWER3は760lmで13Wの消費電力です。
単純計算では58 lm/Wと60lm/Wの蛍光灯にすら叶いません。
LEDの弊害と演色性
LEDのブルーライト問題を聞いたとがあると思いますが
青色LEDに黄色の蛍光体で擬似白色を作っているのでブルーライトが強すぎる問題で
青色LEDは活性酸素を生み出すこともわかってきており、強すぎるのは問題となっています。
しかも、擬似白色のLEDは光合成が行えないので、水草照明としては使えないのです。
(光合成には高演色性などが適します。)
そこで演色性を高めた高演色LEDもありますが、よく使われているLEDの効率が90 lm/W程度更に低下します。
GEXのLEDライトのように低価格製品の場合には電源やLEDドライバの効率もさほどよくなく、電源は85%程度、LEDドライバは80%程度と予想しています。
そうすると60lm/W程度の効率でGEX LED POWER3の効率と一致します。
蛍光灯と同じ効率なのに、低消費電力と謳う製品なんですね・・・
本当に高効率LEDを生かす場合には最先端チップの高演色性LEDで150lm/Wクラス
電源は90~05%、LEDドライバも90~95%程度出る高価な高効率回路を使用します。
そういった構成をすると120lm/Wクラスとようやく高効率と呼べるものが完成します。
ですが、こういったLEDを使用すると当然ながら高価になってしまい、機器の元が取れなくなってしまう問題が発生します。
これがLEDの真実だと思います。
LED照明がはやるのはなぜか?
LED照明が流行る理由ですが、これにはいくつか理由があると思います。
蛍光灯は技術的には成熟していますが、ガラス管を作ったりガスを使ったりと設備的に新規投資をする会社が少ないのが実情ですが
LEDは基板を設計、作るなどあまり設備投資がなく、一般的な回路を同じように作れます。
そのため異業種からの参入も可能です。
また、半導体製造としては同じものを大量に作るため、効率がよく半導体製造としてもメリットが有ります。
既存のメーカーとしては蛍光灯のように価格勝負になっているような大量生産ではなく、LED照明により価格が高く、利益が取りやすいこと。
蛍光灯と違い、壊れるときには機器ごと交換ということで売上にもつながります。
LED寿命は9~10年ぐらいと言われていますが、中に入っている電源基板が持たなく
特に電解コンデンサに関しては長くても7年程度になると言われており
デザイン性、価格を重視して放熱がよくない場合にはもっと短く5年以下になることもあります。
LED照明は高品質、高効率にするにはまだ、高価過ぎる技術なんですよね。
現状では蛍光灯との差は大きくないかブルーライト問題が潜在していると考えておきましょう