ヘッドホンアンプの設計方針が決まったので、設計をしていきます。
まずは、回路図になります。
えいっと回路図を書くとこんな感じです。
(色々と問題も見つかったので、ちょっと小さめに載せています。)
回路ブロックで重要な点としては
1、電源部のソフトスタート回路
2、電源部のノイズフィルタ回路
3、DAC出力部
4、ヘッドホンアンプ回路
5、ADC入力につなぐマイク駆動用のマイクアンプ
といった点が重要なブロックになります。
基板設計と制作
回路図から基板をえいっと設計して、基板を作成しました。
基板は今回はElecrowを使っています。
部品を実装してみた感じはこんな感じです。
すでに色々と検証をしているので、余計なものが色々とついています。
すでにいくつかの間違いが発生しています。
・フリーのライブラリを使ったため、ボリュームのフットプリントが間違っていて実装できない。
・ミニジャックのピン配列が異なっていた。
といった問題がありました。
全体的にチップ部品を多用しているため、かなりコンパクトに仕上がっていると思います。
部品の高さを揃えているので、ケースに入れるときもコンパクトになる予定です。
電源ソフトスタート部
今回の電源部はソフトスタート組み込んでおり、10秒ぐらいかけて電源がONになります。
ソフトスタート中、4秒ぐらいかけて0V → 5Vに電圧を上げていくことで
コンデンサへ徐々にチャージして突入電流を防いでいます。
電源ノイズフィルタ部
USB電源はノイズが多いため、電源フィルタを入れています。
電源フィルタはかなり部品の大きさも大きくなる傾向があり、満足の行くフィルタを設計すると小型化に反するため、今回はスイッチングノイズを取りぞけるような性能で設計しています。
今回の電源フィルタの性能ですが、設計通り、スイッチングノイズはかなり取れています。
スペクトラム上、少し残っているようですが、これをきれいにするにはサイズ不足の要素が強いです。
小型な割にはそこそこになっていると思います。
DAC出力部
今回のDAC出力部は色々と問題がありました。
PCM2704と兄弟の石なので、PCM2704にも同じ問題があると思います。
DACの出力部に少しでもキャパシタ成分が乗るとすぐに発振気味になるという問題があります。
キャパシタ成分のためについていた高周波除去のフィルタを外したところ
やはりDACの折返しエイリアジングが発生してしまっています。
このエイリアジングは必要な周波数帯域のすぐ近くに発生してしまうため、
フィルタで除去しようとすると、可聴周波数にも影響が出る問題があります。
ハイレゾオーディオだと、2倍から4倍、時には8倍のサンプリング周波数で処理するため、フィルタでカットしても可聴範囲へ影響しないという利点があり、
ハイレゾで再現度が高い以上のメリットだと思います。
今回、フィルタを試しに改造してつけてみました。
2段のRCフィルタでエイリアジングをこの程度まで抑えると、どうしても可聴範囲に影響が出てしまいます。
帯域内で3dBなので、そこまで影響はないと思いますが、影響がないわけではありません。
次期バージョンへ
今回、DAC出力フィルタなどでも問題が見えていることと、フットプリントが間違っている問題があるので
フィルタなどを再設計して、次のバージョンを作ってみようと思います。
作るのがいつになるかはわかりませんが・・・・
また完成したら紹介したいと思います。
ヘッドホンアンプを自作(1)-ヘッドホンアンプとは- https://www.cumeles.com/blog/archives/2857
ヘッドホンアンプを自作(2)-仕様-(USB DAC/ヘッドホンアンプ) https://www.cumeles.com/blog/archives/2956
ヘッドホンアンプを自作(3)-設計~制作-(USB DAC/ヘッドホンアンプ) https://www.cumeles.com/blog/archives/2967