最新のATOMとしてATOM Z3760がデビューしました。
搭載製品もぼちぼち出始めましたが、その性能に疑問を持つ人も多いんでしょうね。
昔流行ったネットブックで初代ATOMを搭載した製品がたくさん出ましたが、その時の性能があまり良くなくて
その印象が強いひとも多いようです。
そもそも、ATOMというのは消費電力優先で設計されており、当時の最先端CPUに比べて遅いのは当然です。
構造的にもインオーダー式というPentium2とほぼ同等程度のコアでした。
次に第2世代のATOMがでてきましたが、こちらは若干の改良を加えてデュアルコア化したものです。
これで約2倍の性能になりました。そもそも若干の改良なので大幅な性能アップはありませんでしたが
消費電力的にはスマホ系のARMプロセッサ並の消費電力であるため、性能としてはそこそこでも色々と使い道が出てきました。
タブレットなどにも適用出来る電力ということでWindowsが完全に動くAndroidレベルの重さのタブレットが出てきています。
これがZ2760世代です。変更点は集積化をしてSATAなどの消費電力を使うインターフェースをeMMCなどスマホにもう買われているインタフェースなどに変更しました。
徐々に半導体のプロセス技術が進化して、ATOMをいよいよ一新する時がきたのでがZ3760世代です。
この世代は開発コードネームでBaytrailと呼ばれています。
ここでアウトオブオーダーという他のCPUでもよくつかわれる方式へと思い切った変更をしてきました。
これにより、消費電力を最小限に止めながらかなりのパフォーマンスアップを果たしました。
これにより初代ATOMとは比べ物にならないほど高速化されました。
マルチコア用に再設計されたことにより4コアのCPUとして登場して、消費電力は据え置きになりました。
さて、Z3760世代のパフォーマンスですがざっくり説明します。
初代ATOMのN260の2倍の性能となったZ2760があります。
Z2760はデュアルコアですが、これをクアッドコアにしてZ3760は2倍の性能を達成しています。
実際にはインオーダー式の旧コアは分岐命令があると速度が急激に落ちることがあるのですが、アウトオブオーダー式では速度が落ちづらいという利点がありますので、ベンチマーク以上の違いがあります。
CpuMarkなどを比較すると
N260でスコアが300ちょっと
Z2760でスコアが600ちょっと
Z3760はまだ少ないデータですが1200~1400ぐらいです。
Core i3が1600ぐらいと考えると少し遅いいうところでしょう。
Coreシリーズはたくさん種類があるので、一概には言えないのですが
モバイル用のCore i5で3200~3700ぐらい
モバイル用のCore i7で6000~8000ぐらいといったところです。
Z3760のメリットとデメリットはというと
<メリット>
・消費電力が少なくてバッテリーの持ちが素晴らしくいい。
→ASUSのT100というタブレットはバッテリーで15時間稼働できます。
・軽い
→発熱が少ないので、iPadやiPad Miniと同等かそれよりも軽いぐらいのタブレットが出てきています。
・クアッドコアでQVS(Quick Video Syncが使えるらしい)
→ビデオエンコードやデコードでも補助機能が優れているので、重くなることが少ない。
<デメリット>
・処理速度はそこそこ
→やはり、ハイパフォーマンスのCPUには負けてしまいます。
・シングルコア性能が低い
→マルチスレッド処理はそこそこですが、シングルスレッド処理はそんなに早くないです。
・メモリーが2GBの製品ばかり
→Windows8.1などはかなり軽量のOSなので、かなり使えますが、4GBの選択肢もほしいですね。
これからはCPUはスピードだけでなく消費電力でも勝負が必要なので
このATOMにはかなり期待しています。価格も抑えられているようなので、ヒットする可能性は非常に高いです!