最近、スマートフォンのスペック競争がわけの分からない方向になってきています。
デュアルコアとかクアッドコアとかそういった表面上の性能だけが先行していましたが
逆にメーカーを苦しめているように思えます。
そもそも、CPUはコア単体性能×クロック周波数×コア数で性能が決まります。
一部、クアルコムのように自社でCPUコアを作り込んでいる場合もありますが
ほとんどはARM社からIPコアを購入してそのまま載せています。
一般的なスマートフォンはA7、A9、A15というコアが使われています。
ちょっと乱暴な言い方だとA7の2倍の性能がA9、A9の2倍の性能がA15というところです。
今のクアッドコアはA9のクアッドコアというのが一般的です。
最近、QualcommのSnapDragon S4ProというCPUが出てきているのですが
これがオリジナルコアでもA15シリーズと同等かそれ以上に早いコアに仕上がっています。
しかし、クアッドコアばかりを売りにしていたのでA15になったところでクアッドコアにはかわりありません。
しかも、モバイルのように消費電力が大きくなるとまずいのでクロック周波数は1.5~2GHz程度で据え置きといったところです。
つまり、売り文句はクアッドコアからクアッドコアになりました・・・・
なんにもないんですよね。
しかも、性能はある程度十分なレベルにあるのと、使う側が理解できない性能は意味が無いという点でも
メーカーの売り方は自分で自分の首を閉めてますね。
A15は半導体でも最先端プロセスを使わないと面積や消費電力的に厳しいのですが、このプロセスが極めて高価なので、ハイエンドスマホにしか使われないでしょうね。
日本はハイエンドばかりなので、おそらくA15を積極的に使ってきますけど。
ローエンド系はA9の改良型のA12というコアでしょう。
A12はA15と命令互換でA9よりわずかに面積を増やすだけで性能を20~30%向上させたようです。
半導体の進化が鈍化している今だからこそ、半導体だけに頼らない製品力が試される気がしますけどね。