今回作成したのは、PC周りで使用するヘッドホンアンプを作成しました。
通常のヘッドホンアンプはヘッドホンしか出力ができないか、
ヘッドホンを接続したときに、自動的にヘッドホンに切り替わるケースが多いと思いますが、これが不便な気がするので
ON/OFFのスイッチをつけて、PCのスピーカーとヘッドホン出力をスイッチで切り替えられるようにしました。

これで、普段からヘッドホンを接続したままでも、出力をOFFにすることができるので、普段遣いに便利です。

使用方法

使い方は、こんな感じになります。

①は電源スイッチ
 電源ON後のポップノイズを抑制するための、電源監視機能が入っています。
 電源LEDが点滅しているときには、電源監視により、出力を自動的にOFFにしています。
 ChuMoyアンプを採用したデメリットとして、電源立ち上がり時のアンバランスでヘッドホンに直流電流が流れる問題を抑制しています。
 大切なヘッドホンを守るために、機能を優先して実装しています。

②LINE OUT
 PCスピーカーなどのLINEに接続することで、オーディオ出力ができます。
 スイッチによりON/OFFができるので、簡単にミュートにすることができます。
 LINE端子は、NJM4580を使用した高音質バッファが搭載されているので、インピーダンスによる音質劣化なども抑制します。
 
③ヘッドホン出力
 ヘッドホン出力には高音質で定評がある、TI社BurrBrownブランドのオペアンプOPA1656を使用しています。
 このオペアンプは音質に定評があり、ノイズも少なく出力電流も100mA取ることができます。
 電源周りなどはフィルムコンデンサと超低ESRの有機ポリマーコンデンサを使用することで音質を向上しています。
 オペアンプはChuMoyアンプを構成していますので、出力コンデンサは未使用なので広帯域化が望めます。
 音質は好みもありますが、フラットな性能で空間を感じれるようなチューニングをしています。

④LINE IN
 PCの音声出力やスマホ、プレイヤーの音声出力を接続することで使用できます。
 この機器自体はハイレゾ帯域まで増幅することができるので、ハイレゾ機器でも問題なく使用できます。

⑤電源(USB-C)
 電源はUSB Type-C対応で、消費電力はさほど大きくありません。
 突入電流抑制回路と2重の安全機構を搭載しています。
 突入電流抑制回路により、突入電流で電源アダプタが起動しない、電源回路の破損といった問題は防止します。
 USBアダプタでの駆動をオススメしており、2A以上の給電できるアダプタを推奨しています。
 【動作確認済み】
 ・Anker PowerPort mini
 ・Anker PowerPort 4
 ・Anker PowerPort Atom III Slim
 ・Anker PowerCore 10400(モバイルバッテリー)
 ※USB規格には準拠していませんので、パソコンには接続しないでください。

この機器について

 この機器は気まぐれでメルカリ、ヤフオクなどに出品することがありますが、電子工作機器になりますので
使用したことによる不具合や、動作環境により正常な動作が期待できないことがあります。

回路構成はこのようになっています。


ヘッドホンアンプなどを余裕を持って駆動できるように±5V電源で駆動しています。
電源には、強力な電源フィルタを搭載しています。
電源は常に監視しており、電源電圧が下がってきたときには、自動的に出力をOFFに切り離すことで、アンバランスを防いでいます。
出力のON/OFFはスイッチに音声信号を通すのではなく、制御信号のみをスイッチでコントロールすることで音質劣化を抑えています。

いろいろな機能を詰め込んでいるので、基板は比較的混み合っています。
音質と便利さのバランスをとった結果になります。

もう少し、基板面積がほしいところですね・・・(^_^;)

BOOTHにシープ工房というショップを解説しました。
こちらに出品済みです。

BOOTH シープ工房ページ